心理実験などで使われる視覚刺激を呈示するためのソフトウェア
心理実験などでは画像の呈示と、それに対する応答時間の計測が求められる。このような実験パラダイムに耐えうるフレームワークはいくつか存在し、実際それらを利用することで少ない手順、少ないコードである程度時間精度が保障された実験系を素早く構築できる。
一方で、各フレームワークはそれ単体で実験コントロールから記録までを行うことを念頭においているため、呈示タイミングが非常に重要である場合や他のシステムと連携させるのは少々難しい。そこで、視覚刺激の呈示のみを行うソフトの開発を目指した。
フレーム単位で画像呈示するにはDirectXやOpenGLのライブラリの利用が必須である。しかしながら、
- DirectXはWindows環境のみ
- 各GPUベンダーによるOpenGLの最適化は進んでいない(要出典)
などのデメリットがある。OepnGLに関しては、現代的なGPUを効率的に制御するためのAPIとしてVulkanが策定されている。DirectXもDirectX 12への移行においてAPIが細分化が行われ、より細かくGPUを制御できるようになっている。一方、これらのAPIが細分化されていることで、各ライブラリの難易度が上がっているとも言われている。また、macOSではVulkan, DirectXではmetalである。metakの策定の途中はVulkanと足並みを揃えていたということで、Vulkanと一定の類似性があると言われている。このような状況でポータブルなソフトウェアを作成するのは困難な状況にあると言える。そこで、それらを同じAPIで使用することのできるwgpuを採用することにする。wgpuのAPIは2022年中には仕様がFixするといわれているWebGPUに準拠しており、Rustのビルドシステムとあいまってどのような環境でも使えることが期待される。
- PsychoPy
- Psychtoolbox-3
- NIMH MonkeyLogic