並行で delete を二つ実行した場合にタイミングによって masstree の root node が root bit を持たないという不整合状態になることがあり、それが起きてしまうと masstree の操作のほとんどができなくなるという不具合がありました。

案件: project-tsurugi/tsurugi-issues#1317

masstree の node は、操作対象の node 自身のロックによって保護されるメンバ変数のほかに、隣接 node (parent, prev) のロックによって保護されるメンバ変数があり、今回 parent node のロック (以下、「parent lock」) により保護されるメンバの見直しと、 parent が存在しない node の取り扱いを見直して、この問題を解消しました。

• parent lock 保護対象として 従来は parent メンバ変数だけであったが root bit も parent lock 保護対象とする
• parent が存在しない node、すなわち masstree root node に対する parent lock のため masstree root lock を導入

コミットの概略

• 1aecd65: masstree root lock の導入
• 51f6371: root bit の変更操作を parent/root lock 保護下へ移動
• 28915a5: masstree root lock を lock_parent() 内で実施するように変更
• その他は、デバッグ用関数display() の表示変更・コメントの変更・テストコードの修正 です