wget はネットワーク接続が可能な X680x0 上で動作する HTTPS/HTTP/FTP に対応したダウンロードツールです。
GNU Wget と同様のツールを X680x0 向けに新規に実装したものです。
参照: GNU Wget - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/GNU_Wget
X680x0 で、計測技研製 TCP/IP ドライバやその互換ドライバを用いたネットワーク接続が可能な環境が必要です。
TLS プロトコルは X680x0 にとって非常に重い処理なので、正常な動作のためには各種設定のチューニングが不可欠です。具体的には以下の設定を行ってください。
(※ 「イーサネットじょい君」を使用する場合はチューニングは不要です)
- CONFIG.SYS
- TCP/IPドライバを動かすために必要な
PROCESS=行を以下の設定にしますPROCESS = 3 2 100- 最初の
3は最大スレッド数の指定です。3 以上の値であればよいです - 2,3 番目の値 (メインスレッドの優先度とタイムスライス値) は計測技研製ドライバの設定例では
10 10になっていますが、この値では TLS 処理のための CPU 時間が不足するため、変更の必要があります
- 最初の
- TCP/IPドライバを動かすために必要な
- TCP/IP ドライバ
- 計測技研製ドライバより高速な hinetd.x (K.Shirakata さん作) を使用してください
- X68000 LIBRARY (http://retropc.net/x68000/software/internet/tcpip/hinetd/) から入手できます
- hinetd.x 起動時のパラメータは以下の設定にします
高速化係数(
hinetd -w512 -n15-n)を最大に設定した上で、TCP のウィンドウサイズ(-w)を 512 バイトに設定します - 実行中にドライバのメモリ不足が発生する場合があるため、メモリに余裕のある環境では更に
-+-h:524288 -+-s:262144のオプションを追加してヒープサイズとスタックサイズを増やしておくとよいです
- 計測技研製ドライバより高速な hinetd.x (K.Shirakata さん作) を使用してください
コマンドラインから以下のように起動します。
wget [<オプション>] <URL>
<オプション> は以下の通りです。
-O FILE: 出力ファイルを指定します。省略した場合は URL のファイル名が使用されます-P DIR: 保存ディレクトリを指定します-q: 進捗状況の表示を抑制します-c: ダウンロード途中のファイルが存在した場合に続きから再開します-t N: 最大リダイレクト回数を指定します(デフォルト: 5)
<URL> には接続したいサイトを記述します。以下のフォーマットで指定してください。
[<スキーム>://][<ユーザ名>:<パスワード>@]<ホスト名>[:<ポート番号>][/<パス>]<スキーム>にはhttp、https、ftpを指定します<ユーザ名>と<パスワード>は FTP で認証が必要な場合に指定します<ホスト名>にはドメイン名または IP アドレスを指定します<ポート番号>は省略可能です。省略した場合はスキームに応じて 80 (http)、443 (https)、21 (ftp) が指定されたものとして扱います<パス>は省略可能です
wget http://example.com/file.zip
wget -O myfile.bin https://example.com/file.bin
wget ftp://user:pass@example.com/file.bin
- GNU Wget の一部の機能しか実装されていません。再帰的ダウンロードなど未サポートの機能が多々あります。
- HTTPS 通信に使用している TLS の実装 (axTLS) に以下の制約事項があるため、サイトによって接続できない場合があります。
- 対応するプロトコルに制約があります
- 利用できる TLS バージョンは 1.2 のみです
- 鍵交換で利用できる暗号は RSA のみです。DH や ECDHE などその他の方式には対応していません
- 接続時にサーバ証明書の確認を行いません(axTLS に機能はありますが、使用していません)
- 接続先によっては接続時の TLS ハンドシェイクのタイムアウトが短めに設定されていて、これに間に合わないとサーバ側から接続が切断されることがあります
- 特に 10MHz 機の場合にはぎりぎりで、通信状態によってはタイムアウトしてしまう可能性があります。XVI や X68030 などの高速な機種や、PhantomX などのアクセラレータがある環境が望ましいです
- 対応するプロトコルに制約があります
elf2x68k の 20250907 版以降が必要です。
git clone --recursive https://github.com/yunkya2/wget-x68k.git
で、サブモジュール込みで clone した後、以下のコマンドでビルドします。
make
make linux でデバッグ用の Linux 版のバイナリをビルドすることもできます。
Copyright (c) 2026 Yuichi Nakamura (@yunkya2)
wget は MIT ライセンスで配布されます。 内部で用いられている axTLS は BSD ライセンスで配布されています。