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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】令和時代のシニアマーケティング

デジタルもアナログも 多様な接点を介してサントリーウエルネスが捉えるシニアの健康とインサイト

 ヘルスケアは、シニアの関心が高い領域だろう。最近はアクティブシニアと呼ばれる人口も増え、心身の健康を向上するニーズは高まっている。本稿では、長年シニアと向き合い、彼らの健康を支え続けてきたサントリーウエルネスを取材。健康行動促進アプリ「Comado(コマド)」も好調な同社に、シニアのインサイトとその捉え方をうかがった。

※本記事は、2024年10月刊行の『MarkeZine』(雑誌)106号に掲載したものです

「ゼロからプラス」を志向するシニア

──磯田さんが兼務されているヘルスケア事業部とサービス事業部について教えてください。

 ヘルスケア事業部は「セサミンEX」「ロコモア」など、サプリメントのブランドを運営している事業部です。私は元々ここでロコモアのブランドマネージャーを務めていました。一方のサービス事業部は、健康行動促進アプリ「Comado(コマド)」のようなサービスを開発・運営する組織です。約2年前に立ち上がりました。

サントリーウエルネス株式会社 サービス事業部 課長 兼 ヘルスケア事業部 課長 磯田純(いそだ・じゅん)氏 2003年にサントリーへ入社。飲料のブランドマネージャーや大手広域小売チェーンの酒類営業担当などを経て、2017年よりサントリーウエルネスでロコモアやグルコサミンなど多くのブランドでダイレクトマーティングを手掛ける。2022年よりプロダクトマネージャーとして新サービス立ち上げを行い、現在はサービス事業企画マネージャーとしてサントリーウエルネスにおけるサービスプロダクトの進化を担う。
サントリーウエルネス株式会社 サービス事業部 課長 兼
ヘルスケア事業部 課長 磯田純(いそだ・じゅん)氏

2003年にサントリーへ入社。飲料のブランドマネージャーや大手広域小売チェーンの酒類営業担当などを経て、2017年よりサントリーウエルネスでロコモアやグルコサミンなど多くのブランドでダイレクトマーティングを手掛ける。2022年よりプロダクトマネージャーとして新サービス立ち上げを行い、現在はサービス事業企画マネージャーとしてサントリーウエルネスにおけるサービスプロダクトの進化を担う。

 サービス事業部が立ち上がった背景には、当社が掲げるミッション「ひとりひとりの『生きる』を輝かせる〜体と肌と心のつながりを通じて〜」があります。これまではサプリメントやスキンケアアイテムなどの“モノ(商品)”を通じて、お客様の健康をサポートしてきました。しかし、お客様の「生きる」をさらに輝かせるためには、食事や運動などの生活習慣にも寄り添う必要があります。生活習慣に寄り添うとなると、サプリメントのようなモノより、サービスのほうが好相性ではないかと考えたのです。そのような背景から、サービスを通じた価値提供に踏み出すこととなり、サービス事業部が立ち上がりました。

──Comadoはどのようなアプリなのでしょうか?

 お客様の悩みに合わせた健康行動を促進し、習慣化をサポートする無料のアプリです。「つまらない健康を楽しいものへ」という考えのもと、健康行動に応じてポイントが貯まる仕組みを組み込み、サントリーウエルネスクラブの会員に向けて提供しています。専門家が監修した「いつもより長く歩く」「朝ごはんを食べる」などの健康行動を記録するとポイントが貯まり、貯まったポイントはサントリーグループの商品を購入する際に利用可能です。そのほかにも、サプリメントの飲用記録やフィットネスレッスンの配信などをアプリ内のサービスとして提供しています。2023年9月の本ローンチから約1年でダウンロード数は60万を突破し、サントリーウエルネスクラブ会員の3名に1名がComadoユーザーです。ダウンロードした方の約半数が毎月アクティブに使ってくださっています。

──「シニア」と一口に言っても、60代・70代・80代でライフスタイルやインサイトは大きく異なるはずです。御社の顧客のうち、最も割合が大きい年代はどのあたりですか?

 最も層が厚いのは60〜70代です。商品によってお客様の年齢層は異なるため、70〜80代の方が最も多い商品もあります。

──ボリュームゾーンにあたる60代・70代は、ヘルスケアに対してどのようなインサイトを持っているのでしょうか?

 約10年前のシニア層では「人に迷惑をかけたくない」というニーズが強く、体の不調というマイナスをゼロにする意識が大きく働いていたような気がします。ただ、現在のシニア層にはアクティブな方が非常に多いです。私は以前、70代でトライアスロンを趣味とされている方に出会いました。ヘルスケアに対して「マイナスからゼロ」ではなく「ゼロからプラス」を志向する方が増えている印象です。

 また、社会とのつながりを強く求めるシニアも多いです。年齢を重ねると、職場を退いたり知人に先立たれたりして、孤独を感じる機会が増えます。そんな中で、社会性を失わずに自身の役割を持ち続けたい思いが働くのかもしれません。

 アクティブなシニアが増えた一方で、健康に不安を感じるシニアも当然いらっしゃいます。同じ70代でも、トライアスロンを楽しめる方がいれば、杖を使わなければ歩けない方もいる。シニアは心身ともに多様化が進んでいるため、単一のインサイトを追求するだけでは不十分だと感じます。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/30 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47112

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