出逢ってから二年の時が流れて
今年も海に着いたのに
二人で行った想い出を忘れるなんて
ひどすぎるよ
潮風が強くて髪が乱れて
あなたはきっと知らんぷりで
風上に立って手をかざし
遠くの島を眺めるだけさ
人は誰もが皆
強いわけじゃなくて
仮面つけてキャラを演じているのね
神様は台詞を授けてくれないし
アドリブするだけさ
波打ち際のヴェールがひらりはためき
光を弾いて映し出す景色に
浮かび上がった神様のキャスティングコールを
受け止めてみたい
今だけは
さざなみ蹴って沖へと進むボートに
微笑みかけるカモメたち
岸ではちょっと微睡んだ私たちが
二人きりね
黄昏の渚から
夕陽を浴びて
頬を染めた
恋人が駆け出す
水平線を横切る雲の流れが
彩りに満ちた風景を闇に変えて縺れて
月の光が水面に映り揺れている
砂浜に座り星空を見つめる
海の響きは神様のキャスティングコールさ
二人の会話が途切れても
幕は続く
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