歴史的な米朝首脳会談の舞台となったシンガポールのカペラホテル。=2018年6月8日、シンガポール【時事通信社】
◇父親譲りの外交巧者ぶり
米朝首脳会談は、米側が固執した「CVID」の文言のうち、検証可能・不可逆的の「VI」がなく、完全・非核化の「CD」だけだった。時代遅れの「CDサミット」といえなくもない。これに対し、米側は体制保証や米韓合同軍事演習中止に踏み込んだ。金正恩委員長は若いのに、父親ゆずりの外交達者ぶりを見せた。懸念されたトランプ大統領のパフォーマンス外交が露呈した印象がある。
これから米朝間で、長く複雑な交渉が続くだろうが、北朝鮮は核・ミサイルを失うと、貧しい三流国家に転落し、誰も相手にしない。金委員長が核・ミサイル放棄を決めると、軍部がクーデターを起こす恐れもあるのではないか。ロシアのプーチン大統領は9月初めにウラジオストクで開く東方経済フォーラムに南北と日中首脳を招待しており、これにトランプ大統領が飛び入り参加すれば「6カ国首脳会議」となり、展開が注目される。
(この記事は時事通信社が発行するニューズレター「コメントライナー」に6月13日に掲載されたものです)
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