ヌドラ市内の閑静な住宅街。ある邸宅の中庭で結婚祝いの儀式が開かれていた。新婦の親戚や知人が、花嫁道具の家具や台所用品のプレゼントを持参する「男子禁制」のブライダル・シャワー。チテンゲで仕立てた粋なドレスを着こなした招待客が、太鼓の音に合わせて踊り、新婦の門出を祝福する。都会でも農村でも、ザンビアの女性たちはこうして嫁ぎ、やがて母になる。
IPPFザンビアのコーディネーター、アルバティーナ・ムロンゴさん(49)は「医療施設での分娩を増やすため、妊産婦と診療所の『距離』を減らすことに全力を挙げている」と力説する。ザンビア政府も妊産婦死亡率の改善に本腰を入れ始めたが、先行きは決して楽観できない。
インフラも人材も資金もすべてが不足し、特効薬はないのが現状。「2015年までに目標を達成できるかどうかは分からない」とムロンゴさんは言う。
紛争や貧困、飢餓ばかりが国際社会の注目を集めるアフリカ。妊娠・出産で年間20万人以上の女性が死亡していることは、あまり知られていない。緊急時の人道援助に比べ、長期的な開発支援には資金も集まりにくい。それでも、各地で息の長い草の根レベルの挑戦が続く。亡くならなくてもよいはずの命を救うために。(肩書き、年齢は取材当時)
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