女王様として鞭を振るう日もあれば、M女として身体を預ける日もある。
SかMか、そのどちらかではなく、その日、その相手に合わせて立ち位置を変える。
今回お話を伺った如条凛さんは、そんな「スイッチャー」として活動するSMプレイヤーです。
凛さんと初めてお会いしたのは、大阪・Black Berryで開催された「超鞭祭」。
その後もさまざまなイベントでお会いする機会があり、いつも印象に残るのは、とにかくよく笑うこと。
SMという世界にいる方でありながら、どこか肩の力が抜けていて、一緒にいる人まで自然と笑顔にしてしまうような明るさがあります。
そんな凛さんに、SMとの出会いや現在の活動、そして「快楽」について、お話を伺いました。
人前に立つことが好きだった子ども時代
まずは、これまでのお話から聞かせてください。
子どもの頃から、人前に立つことが好きでした。
幼少期からずっとクラシックバレエを習っていて、高校ではバンド活動もしていました。
その後、20代半ばになるとDJとしても活動を始めます。
所属していたDJチームに女王様がいたんです。
その方に勧められて、SMの世界を知りました。
SMに関わり始めたのは、比較的遅いほうだと思います。
そこから岡山Secretへ通うようになり、およそ2年後、思いがけない転機が訪れます。
お店に遊びに行った時に、『働かない?』と声を掛けてもらいました。本当に運命って不思議ですよね。
スタッフとして働き始めたことをきっかけに、SMショーにも初出演。
女王様として必要になる鞭や緊縛の技術も、本格的に学び始めました。
もともとS気質だったのでしょうか?
高校生の頃に付き合っていた人が、今思えばSMっぽいことが好きだったかもしれません。ベースは、人に意地悪するのが好きなんです。困っている人を見るのも好き。
でも、自分ではマゾだと思っています。
相手のSが自分より強ければMになりますし、逆ならSになります。
私は、どっちも楽しめるスイッチャーなんです。
SかMかを決めるのではなく、その相手とどう向き合うか。
だからこそ、凛さんはSMをこんなふうに表現しました。
SMって、人とコミュニケーションを取るためのツールなんです。
悪役も正義も演じたい
現在は、どのような活動をされているのでしょうか?
今は、野良のSMプレイヤーです。
そう笑いながら答えた凛さん。
特定のお店などには所属せず、そのとき必要とされる役割を演じています。
必要に応じて、女王様もM女もやりたいんです。
相手によって、自分の立ち位置は変わります。
その考え方は、以前インタビューした蛇乃目夢子さんのお話にもつながります。
夢子さんみたいに、極端に振り切っているSの方と向き合うと、自分がSなのかMなのかわからなくなるんですよ。
相手が変われば、自分も変わる。
だからこそ、自分自身をSやMという言葉だけでは表現できないと言います。
悪役もやりたいし、正義もやりたい。
今後も、その場に必要なキャラクターを演じていきたいと思っています
私はプロレスも好きなんです。
悪役と正義役がいて、ある程度の流れは決まっているかもしれない。
でも、その中でドラマが生まれるじゃないですか。
悪役が正義になったり、正義が悪役へ堕ちたり。
立場が変わっていくところがすごく好きなんです。
その言葉を聞いていると、凛さん自身もまた、一つの役柄に縛られない表現者なのだと感じました。
一緒に楽しもう。それが私のSM
憧れている方はいらっしゃいますか?
生まれて初めて見たSMショーが、上条早樹さんでした。
いつかM女として共演できたらいいなって思っています。
かわいくて、かっこよくて、少年みたいなところが本当に大好きなんです。
憧れでもあり、尊敬している存在です。
そして、もう一人。
凛さんにとって特別な存在がいました。
如月リリィさんは、私にとってすべての始まりであり、ゴールです。
SMという世界を深く教えてくれた人。
そして、いつか追いつきたい目標でもあります。
リリィさんから教えてもらったのは、『楽しい時間を一緒に過ごす』ということでした。
SMは、人とコミュニケーションを取るためのツールなんだって。
その考え方は、今でも凛さんの活動の軸になっています。
そして、「如条」という名字にも、大好きな二人への想いが込められていました。
大好きで尊敬するお二人から一文字ずついただいて、『如条』という名字を名乗らせていただいています。
ちなみに、「如条」の読み方には決まった正解はないそうです。
感じたまま、好きなように呼んでほしい。
そんな自由な名前も凛さんらしい。
私は、トップオブトップみたいな、『他人なんて関係ない』という人よりも、『一緒に楽しもうぜ』っていう人が好きなんです。
オナニーじゃなくて、一緒に楽しもうっていうスタンスは大事だと思っています。
私は、じとじとした暗い雰囲気は好きじゃないんです。
女王様から受けるときは、いつだって笑顔でいたい。
女王様って、鞭も縄も、いろんな道具をたくさん練習して、ちゃんとメンテナンスもしてきているんです。
その集大成を、私に向けてくれている。
だったら私は、それを全力で受け止めたいし、笑顔でいたいんです。
脳みそに焼き付きたい
以前、「勃起して、お家に帰ってオナニーしてくれたら嬉しい」とお話しされていたのが、とても印象的でした。
あの言葉には、どんな想いが込められているのでしょうか?
人の脳みそに焼き付きたいんです。
何気ない気持ちでショーを見ていたとしても、その人の脳裏にしっかり焼き付けたい。
オナニーのきっかけになったとしても、それは全然いいんです。
どんな形でも、『あのシーンが忘れられない』って思ってもらえたら嬉しいですね。
ただ刺激を与えたいわけではありません。
その人の記憶に残る作品をつくりたい。
その想いは、凛さんが好きだというプロレスにも通じているように感じました。
悪役と正義。
立場は違っても、観客の心に残る試合をつくることが一番大切。
SMショーもまた、同じなのかもしれません。
快楽とは、努力すること
NUKITIMESのテーマでもある「快楽」についても教えてください。
凛さんにとって、快楽とは何でしょうか?快楽を追求することとは?
私にとって快楽とは、楽しいことと、努力することです。
できないことがあると興奮するんです。
仕事でも最初の3か月くらいが一番楽しいですね。
苦しい時期って、自分が努力していることを実感できるし、成長も感じられる。
だから、きつくても頑張れるんです。
努力した先で飽きちゃうタイプなんですよ。
日々、新しい発見がないと面白くないんです。
だからこそ、SMは飽きないと言います。
責める側にも、受ける側にも、新しい発見がある。
相手が変われば、見える景色も変わる。
同じことの繰り返しにはならない。
女王様って、責めているとき、本当に楽しそうなんです。
だから受ける側としても、その楽しさを全部受け止めたい。
そんなことを考えていたら、自然と笑顔になるんですよ。
インタビュー中、凛さんは何度も「一緒に楽しむ」という言葉を口にしていました。
SかMか。
責める側か、受ける側か。
そんな肩書きよりも、目の前の相手と楽しい時間を共有したい。
SMは、人とコミュニケーションを取るためのツール。
SMは、人とコミュニケーションを取るためのツール。
その言葉は、インタビューが終わる頃には、すっと腑に落ちていました。
笑顔で責め、笑顔で受ける。
そんな凛さんだからこそ、多くの人がまた一緒に遊びたくなるのかもしれません。
そしてきっとこれからも、女王様としても、M女としても。
誰かの記憶に焼き付く時間をつくり続けていくのでしょう。
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