福島第1原発の構内は、放射能汚染の状況に応じ、三つの作業エリアに分かれている。
汚染の程度が最も低いエリアは「グリーン(G)ゾーン」と呼ばれ、ここでは一般作業服と使い捨ての防じんマスクで作業できる。次が「イエロー(Y)ゾーン」。口と鼻を覆う半面マスクか顔全体を覆う全面マスクに、防護服を1枚着ることで入れる。最後が「レッド(R)ゾーン」。全面マスクを付け、防護服2枚を着る必要があるエリアだ。
東電は事故後、放射能に汚染された現場の環境を改善するため、汚染土をはぎ取り、地表にモルタルを吹き付ける舗装作業を行っている。その結果、福島第1原発の敷地の9割がGゾーンとなった。
構内に入ると、まずは「入退域管理施設」で、既に体内に取り込んでいる放射性物質からの被ばく状況を測る検査を受けた。案内役の東電社員によると、視察後にもう一度測った時との差を見るためだという。
専用の機械に設けられた椅子に座り、1分間待機。Yゾーンに立ち入る人は検査を受けなくてはならないというが、2017年10月から作業従事者は「3カ月に1回受ければ済む」ようになったという。線量の低減に伴い、構内に入るまでの負担を大分軽くしたようだ。
次に、作業現場に入るための装備を身に着ける。二重の靴下と長靴を履き、用意されたベストを着ると、線量計を左胸のポケットにしまい込む。0.02ミリシーベルト被ばくするごとに、アラームが鳴る仕組みとなっている。
原発に一時的に立ち入る人の被ばく上限は0.1ミリシーベルトで、頭部X線診断(直接撮影)の1回分に当たる。顔は防じんマスクとゴーグルで覆い、頭にヘルメットをかぶった。
こういった準備を整え、入退域管理施設を出るまでに、20~50代とおぼしき何人もの作業員とすれ違う。コワモテ風の人もいたが、どこにでもいる普通のおじさんっぽい人もいる。
福島第1原発には取材で数回入ったが、この道中でいつも「あの事故を起こした場所に入るんだ」と実感させられる。
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