入退域管理施設を抜けて屋外に出ると、汚染水を入れた大量のタンクが、まず目に飛び込んでくる。
汚染水は、浄化設備で「セシウム134」「ストロンチウム90」など、大半の放射性物質を除去したものだ。ただ、水と性質が似ている「トリチウム」は取り除くことができない。
タンクは2017年12月21日時点で841基あり、20年までに約137万トンを蓄えることができる見込みだが、雨水や地下水の流入などで汚染水は日々増え続けている。
政府は現在、タンク内の汚染水の処分方法を検討している。国の専門家会合が16年6月、希釈して海に放出する方法が最も短期間で安いとする報告書をまとめたものの、福島県漁業協同組合連合会が強く反対。行く末はまだ見えない。
数多く並ぶタンクの中にはレンガ壁のように、縦と横に線の入ったものがある。これは「フランジタンク」と呼ばれ、継ぎ目をボルトで締めた簡易型の鋼製タンクだ。
13年には、このタンクから汚染水漏れが相次ぎ、海への流出も起こった。東電は当初、16年度の早い時期に、漏れにくいとされる溶接型へ切り替えることを目標にしていたが、建造が遅れ断念。現在は、切り替え完了を18年度中とし、簡易型を使い続けている。
簡易型からの汚染水漏れは17年も発生。漏れた汚染水は設置区域を囲むせき内にとどまっているというが、そんなものを使い続けている現状に不安を覚える。
構内移動用のワゴン車に揺られながら原子炉建屋に向かったが、そびえ立つ大量のタンクはしばらく車窓から消えなかった。
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