廃炉の最前線へ~東電福島第1原発 視察ルポ~

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滞在時間は20分

 使用済み燃料プールを通り過ぎ、奥へと向かった。その途中にも、付近の線量と「滞在時間の短縮に努めよう!」と書かれた表示板が何枚も掲示されている。

 たどり着いたプールの奥側は、上部にかまぼこ形のカバーがかかっていて、少し暗かった。ここには4本足の「燃料取扱機」が設置されている。この日はビニールでくるまれていた。

 「雨風を避けるためのものです。カバーで完全に閉じられたら取りますよ」と経産省の木野参事官。燃料取扱機の足近くには棒状の装置がぶら下がる。「これは『マスト』と呼ばれる、燃料をつかむ機械です」。取扱機の真ん中には、大きな装置もぶら下がっている。こちらは「マニピュレーター」という装置だ。

 燃料取り出しは、以下のようなステップで進める。まずマストを使い、プール内で専用容器に収納。この作業は、マニピュレーターでプール内に残る細かいがれきを取りながら進める。

 次にクレーンで収納容器を最上階から降ろし、別の建屋のプールで保管する。一連の作業は、原子炉建屋から離れた「免震重要棟」と呼ばれる施設から、遠隔操作で行われる。作業員の被ばく低減のためだ。

 東電は取り出しに向け、操作訓練を既に別の工場で実施。加えて、取り出し直前にも訓練を行う予定だ。4号機にあった1533体の燃料取り出しは2014年12月に完了しているが、これには約1年かかった。3号機の場合は全て遠隔操作で行われるため、さらに時間がかかるとみられる。

 初めて訪れた最上階の滞在時間は、被ばくの影響を考慮し、20分に限られた。今まで取材に入った原発構内のどこよりも、東電社員の緊張を感じた。

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