一方、これから述べる3番目は、日本の得意パターンが崩れ、結果的に力負けとなった試合になる。
第3回大会準決勝、プエルトリコに1-3で屈し、3連覇の夢が破れた一戦である。日本は先発した前田健太が1回に先制点を許し、7回には2番手の能見篤史が2ランを浴びて3点のビハインドを背負った。3失点で投手陣を責めるのはいささか酷でもあるが、強豪チームを相手に3点を追う展開は非常に苦しい。日本は過去3大会の準決勝・決勝で3勝2敗。1、2回大会の4試合中3試合は、先手を取った。第3回大会はパターンが崩れ、先発投手が早々に失点、2番手も追加点を許した。
一方、攻撃でも悔やまれる大きなミスが出た。8回1死後、鳥谷敬、井端弘和の長短打で1点を返し、さらに内川聖一が右前に落として一、二塁。打席に4番の阿部慎之助を迎え、長打なら同点、一発が出れば逆転の絶好機が広がった。
しかし、ここで一塁走者の内川だけが二塁に向かって飛び出して2死。阿部も二ゴロに倒れ、反撃ムードは一気にしぼんだ。この場面、走者2人に出ていたサインは「行けたら(重盗に)行け」というものだったという。選手に重大な判断を委ねた作戦だった。
この大会、山本浩二監督は阿部に4番、主将、投手陣をリードする捕手の大役をすべて任せた。つまり、阿部以上に信頼を置く選手はいなかったわけだ。その阿部が真っ向勝負で凡退して好機がついえたなら、もっと納得ができたに違いない。内川のミスという側面もあったのだろうが、チームとして最も意思統一が必要と思われる場面で、首脳陣は明確な決断を下せなかった。先発投手が先制を許し、2番手投手が追加点を与えたこととともに、日本の強みである緻密な野球を徹底できなかった苦さばかりが残った。
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