ただ、守備と打順を考えるあまり、山田をベンチに置くとすれば、その判断には必ずしも賛同できない。先述した通り、現在の日本球界で山田は最強の右打者。15年は史上初めて本塁打王と盗塁王を同時に獲得し、16年には2年連続で盗塁王に輝く一方、中田を13本も上回る38本塁打を放ち、打率3割、100打点もクリアしている。しかも二塁守備も十分に平均的水準を超えている。このまま順調に行けば、日本球界で史上最高の二塁手となる可能性を抱かせる存在だ。小久保監督は途中出場、緊急時には足の切り札ともなり得ると考えているのかもしれないが、山田が先発を外れた打線が、現状の日本のベスト布陣と言えるのだろうか。そこははなはだ疑問だ。
打撃は水もので、好不調の波も大きい。そもそも、パワーのある外国勢を相手にWBC公式球で国内のような長打力をそのまま発揮するのは難しい。長打はヒットの延長という意識は、たとえ筒香や中田、山田であっても必要に違いない。各球団の好打者がそろうチームで適正な打順を見つけ出すのは簡単な作業ではない。野球に限らず、世界各国のサッカーの代表チーム監督も、どうすればチームが最も機能するか、いつも試行錯誤を重ねている。世間が認めるオールスターで固めたからと言って、チームのパフォーマンスが最大に上がるわけではないのが、団体競技の難しさでもある。
ただ、やはり山田は先発で見たい選手だ。使う選手を決めるのは小久保監督の専権事項ではあるが、少なくとも山田には、現在の日本代表にスタメンで出場する資格が十分にある。菊池を二塁で起用する場合、山田を指名打者とし、内川、中田の一方を外野で使うか、一方を途中から起用するか。各選手の調子次第ではそうした選択肢も十分検討に値すると考える。
小久保監督は2月25日のソフトバンクとの練習試合で、山田を1番・指名打者で起用し、二塁の菊池を2番に入れた。山田の足を生かし、つなぎ役に適任の菊池と1、2番を組ませる構想が浮上したようだ。山田は足が使える上、16年はセ最多四球で出塁率も高い。確かに、十分に考えられる選択肢の一つだろう。普段は典型的なプルヒッターとして引っ張りが多い山田も長打は念頭に置かず、出塁して機動力を発揮することをより重視して戦う構えを見せている。なかなか連打は期待できないWBCの戦いだけに、このあたりがどう機能するかが見ものだ。
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