サッカーの日本代表監督を解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏が2018年4月27日、東京都内の日本記者クラブで記者会見を行い、「こんな形で(監督の座から)去ることになるとは、最悪の悪夢としても考えたことはなかった」と強い不満を表明した。「ワールドカップ(W杯)の予選を突破し、本番に向けて完璧というぐらいの準備ですべてが整いつつあった。それが、ここからというときに突然の解雇で仕事ができない。非常に傷ついている。私への敬意に欠けていると感じる」と、深い失望感に沈んでいる心境を明かした。解任に至った背景を読み解き、日本サッカー界の現在地、課題などについて考えてみたい。
ハリル前監督の会見会場に詰め掛けた報道陣は332人。17年11月に大谷翔平が同所でメジャー挑戦を表明した会見より100人近く多く、関心の高さをうかがわせた。解任された後、「理由が分からない。真実を探しに日本へ行く」と語って再来日したハリル氏。だが、「何人かの選手が私に不満を漏らしていたといった話は耳にしたが、入ってくる情報は少なく、真実は見つかっていない。何が起きたのか分からない」と吐露した。同時に、「誰も(解任の可能性があるというような)警笛を鳴らしてくれなかった。誰も何も言ってくれなかった」と突然の解任劇へのやりきれない思いを強い口調で訴えた。
監督を交代する権利は、雇い主である日本サッカー協会にある。厳しいプロの世界で指揮官の交代は日常茶飯事。「協会は解雇の権利を持っているのだから、解雇自体は問題がない」とハリル前監督も認めている。実際、同前監督の掲げるサッカーは日本の現状に合っていないという指摘は以前からあり、強く解任論をぶち上げる識者も少なくなかった。解任の決断が遅すぎたという意見も根強い。17年11月の欧州遠征ではブラジル、ベルギーに連敗。同12月の東アジアE―1選手権では韓国に1-4で完敗し、3月の欧州遠征でもマリと引き分け、ウクライナに敗戦と低調な戦いが続いていた。同前監督は「ウクライナに負けたからというリザルトをぶつけて(解任を通告して)もらえば、まだ良かった」と心境を打ち明ける。
ただ、4月7日に協会の田嶋幸三会長から解任を通告された際、「選手とのコミニュケーションがやや薄れた」と伝えられたことには「最初ジョークだと思った」といい、「激しい怒りが湧き立って」5分で席を立ったという。前監督は解任決定の後、15人ほどの選手から同氏の指導に感謝するメッセージが寄せられたことを明かし、その一部を読み上げながら「誰とのコミュニケーション? (指導した)3年間、問題はなかったと認識している。厳しかったにしても、家族的なチーム、スピリットで仕事をしてきたと思っている。(コミュニケーション不足という指摘は)疑問に思っている」と顔を紅潮させて反論した。
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