正念場の日本サッカー

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協会側の事情

 もっとも、協会には協会側の事情があるのも確かなのだ。Jリーグ発足、W杯出場、W杯開催などを契機に日本協会は大きな発展を遂げ、年度予算は200億円のレベルだ。01年に初めて100億円台に達し、15年で倍の規模に膨らんだ。他のアマチュア団体とともに東京・渋谷の岸記念体育会館内の一室を拠点としていた時代とは大違い。現在は大勢の職員を抱え、東京都文京区に自らのビルを持つ。ただ、規模が大きくなればなるほど、多くの人間の生活を支えていく必要性も大きくなる。マイナーの競技団体がさまざまな苦労を抱える一方で、体の大きい組織はそれだけ大きな「栄養」も必要とする。それを保持できなければ、当然優れた環境も維持できなくなる。

 加えて日本のサッカー界は日本代表の活躍を起爆剤にしてJリーグの各クラブへの注目を引っ張る形で発展してきた側面がある。日本代表が失敗を続ければ、サッカー人気そのものがジリ貧となり、Jリーグなどにも深刻な影響が生じる構造だ。したがって日本協会の幹部には以前にも増して的確な「経営判断」が必要となっている。協会単体で見ても、200億円レベルの予算の約7割が日本代表関連でもたらされているという。これが大きく減少するようなことになれば、指導普及やユース年代、女子の強化といった地道な各事業にも深刻な影響が出てくる。

 オフィシャルサプライヤーとして協会の財政を支えるアディダス・ジャパンは15年に契約を更新し、22年末までの8年契約を新たに締結した。総額は250億円を超えるとされる。年間40億円超。大ざっぱに言って協会予算の2割を占める。オフィシャルパートナーであるキリンは日本のサッカーが低迷していた1978年から一貫して日本協会を支えている。こうしたスポンサーの支援は協会財政の屋台骨。言わば協会最大の「お得意さま」だ。スポンサーが多額の契約料を支払ってくれるためには「代表ブランド」がさまざまな意味で魅力的であり続ける必要がある。当然成績の低迷は許されないし、大衆から大きな支持を集めることは不可欠となる。

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