関係者もファンもメディアも、あまり結果を急いではいけないのだろう。全体の進路が間違っていないと考えられる状況なら、結果にも視聴率や観客動員数にも、ある程度寛容でなくてはなるまい。しっかりと成長を見守る姿勢。その代わり、関係者は謙虚でなくてはならないし、過去の失敗を材料としてしっかり蓄積し、少しずつでも将来に生かしてくれなくてはいけない。これが暗黙の約束事になる。そのときの批判をうまくやり過ごしたり、人事問題に絡んで大事な方針がコロコロ変わったり、敗因をごまかしたりする姿勢は、それとは逆行する。
W杯本大会の出場チーム数は26年大会から48に拡大され、現在4・5枠のアジアは8枠となる見通しだ。現在より2倍近い「広き門」になるのだから、予選通過はさらに楽になる。これで日本の連続出場はますます安泰だろうし、W杯に出場し続ける限り、日本代表は一定のステータスを持ち続ける。スポンサーとの契約も無事継続されるだろうし、協会の基礎収入もずっと確保されることになる。関係者にとって、アジア枠の大幅拡大は、確かに朗報だろう。
ただ、ことはそう簡単ではあるまい。広き門になるということは、予選の価値が下がるということだ。予選落ちの危機があったり、ライバル国との食うか食われるかというスリルがあるから、コンテンツとしての価値が高い訳で、最初から「どう転んでも予選落ちはないだろう」という状況では盛り上がりに欠けるのは明白だ。日本が余程苦戦して敗退危機にでも陥らない限り、高い視聴率も期待できないだろう。
また、出場が続けば、当然新鮮さは失われる。多くのファンにとって、W杯出場はますます4年に一度の「日常の光景」になる。当然、出ただけでは感動してくれない。負けるにしても、そこまでのチーム強化の過程を含めて納得のできる内容や、見ている者の魂を揺さぶるような戦いが必要になる。出続けて惨敗ばかりを繰り返すようだと、「またどうせだめさ」と関心はますます低下していくだろう。また本大会も48チームで争うとなると、B級、C級のチームが果たして何試合できるのか。今まで通り最低3試合は戦えるのだろうか。2試合程度戦って帰国するような形になれば、こと日本に関する限り、本番の盛り上がりも危うくなる。
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