正念場の日本サッカー

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盛り上がらぬムード

 もっとも、大会直前になっても、W杯への関心が盛り上がり切れない状況は、果たしてハリル・ジャパンのチームの骨格がなかなかはっきりせず、戦いぶりに精彩を欠いていたことばかりが原因だろうか。筆者には、日本のサッカー界がある種のマンネリ感に包まれてしまっているように感じられ、そこに根本的な要因があるという気がするのだ。

 熱しやすく冷めやすい。日本の国民性を語るとき、よく使われる言葉だ。日本の国民にその傾向が強いのは間違いないところだろう。選挙の結果なども、そのときのムードに大きく左右される。スポーツに関して言えば、ある競技がオリンピックなどで大健闘を演じると、「感動した」と一時的なフィーバーになるが、その後は次第に関心も落ち着いてしまい、次に盛り上がるのは次回の五輪ということも日常の光景だ。どの国にもそうした傾向はあり、日本だけが特別とは思えないが、日本の国民は飽きるのが早く、常に新たな刺激がないと関心が持続しない傾向はかなり強いと思われる。

 日本のサッカーは選手の成長や関係者の努力で14年大会までW杯に5大会連続で出場を果たした。もはやW杯の常連と言っていい。ただ、世界最高の舞台への扉は開いたが、成績はどうもさえない。過去5大会のうち、決勝トーナメントまで進んだのは2回。しかし、いずれも同トーナメント初戦で敗れ、8強入りが果たせていない。決勝トーナメントで未勝利、5大会通算で挙げた白星も計4つにとどまっている。

 サッカーは世界で最も人気があり、広く普及しているスポーツで、選手層も厚い。伝統国を相手に波乱を演じるのは、並大抵なことではない。ある程度サッカーを知る人たちはそう承知しているわけだが、その時々の刺激を求めてさまざまなスポーツを楽しんでいる大多数の「ライト層」にとっては、滅多に好成績を残せない競技より、大リーグで胸のすくような活躍を演じる若武者や、不振や負傷、不遇な時代を乗り越え、苦労と創意工夫を重ねた末にライバルとの激闘を制して金メダルを手にする五輪アスリートたちがより魅力的に映るのも当然と言えば当然である。

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