正念場の日本サッカー

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地道な足固め

 端的に言い切ってしまえば、残念ながらまだまだ真の底力がついていないということになるのであろう。「基礎票」が少ないからライトな「浮動票」を獲得しようとして目先の策に走らざるを得ない。「基礎票」を生み出すコアなファンに最も誠意を尽くさなければいけないのに、その人たちを失望させるような動きに出てしまう。移ろいやすい人々の感情を前に協会幹部も含めた担当者の苦しさは十分に理解できるつもりだが、地に足を着け、少しでも「基礎票」を増やしていけるよう足場を固めていくしかないはずだ。Jリーグ各クラブの地域密着を通じた地道な取り組み、若年層からトップに至るまでの一貫した指導方針の構築、指導者の育成。そうしたものがじわじわと効果を表してくれば、賛同する人たちも徐々に増え、「基礎票」の比率が高まってくるかもしれない。そうなればサッカーが真の文化として定着し、拙速なカンフル剤が不要な日が訪れる-。そう信じてやっていくしかないのではあるまいか。

 30年かかるのか、50年かかるのか。先は果てしなく長いだろう。そもそも1930年にW杯が創設されてから、頂点に立った国・地域は8つしかない。そのうち複数回優勝を果たしているのはブラジル、ドイツ、イタリア、アルゼンチン、ウルグアイの5カ国だけ。世界に冠たるリーグを持つスペインでさえ、10年大会でようやく優勝経験国の仲間入りを果たしたばかりだ。伝統国の壁は厚く、実力国のオランダは決勝に3度進出していずれも敗れている。新興国がいきなり上位に進出できるような世界ではないのだ。誤解を怖れずに言えば、日本からはただの一人として「世界のスター選手」は誕生していない。その時々で愚直に謙虚にチャレンジを重ねていくしかないのではあるまいか。

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