次に重要なのはファンや視聴者、観衆ではないか。興行の世界は観客や視聴者なしでは成立しない。多くの視聴者がいて宣伝効果が大きいから、スポンサーも多額の契約を結ぶわけだ。選手たちの生活は突き詰めれば観衆や視聴者が支えている。観衆や視聴者こそが、最も重要な「お客さん」のはずだ。その中でも、ブームの有無にかかわらず、いいときも悪いときも応援を続けてくれるようなファン・観客はとりわけありがたい存在だ。彼らは貴重なリピーターであり、おそらく生涯にわたって競技を愛し続けてくれる。彼らは、応援を続けていれば、いつかは少なからずいい思いができると信じている。この「いい思い」とは、応援するチームや選手が持てる力を存分に発揮し、ともに抱いた夢がかなったと思える瞬間だ。選手たちはもちろん、チームや選手に関わる人たちはそのことを深く自覚し、行動する必要がある。
06年W杯直後の日本協会会長の言動、14年W杯後に十分な総括がなされなかったことなどは、サポーターやファンの存在、その重要性を軽視した不誠実な動きに映る。大きな注目を浴びる競技ほど、大衆に対する責任は重い。多くの人が支持・応援してくれているからこそ活動資金が潤沢なのであり、大きな組織も維持できるのである。大した支援も受けていないマイナー競技が惨敗を喫したからといって世間からたたかれるのは理不尽。これに対し、多くのファンに支えられているメジャーな競技にはより重い結果責任があるし、成績が悪ければ手厳しい批判を浴びるのも当然。大衆に対して、より丁寧な説明や報告を行う義務も負っている。
W杯出場、1次リーグ突破、8強進出…。未知の領域へと踏み込んで行こうとしているのだから試行錯誤があるのは当たり前。新興勢力が長い伝統を誇る強豪国の間に割って入ろうとするのだから、失敗が続くのもやむを得ない。ただ、失敗の中でも経験値を積み上げ、少しずつでも将来に生かしてくれなくてはファンもやりきれない思いが募る。その点、日本協会の方針は「本当に過去の失敗に学んでいるのだろうか」と疑問に思えるほど、変遷している。
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