データ全盛の時代となり、世の中のさまざまな事象が瞬時に数値化されて提示される。日本サッカー協会もJリーグ発足を控えて組織が拡大を始めたころから、テレビの視聴率などのデータをかなり詳細に分析するようになった。数字は正直で残酷だ。日本代表戦の視聴率が同じ時間帯で何番目だったのか、どの局面で数字が下がったのか、過去の代表戦と比べてどの程度高いのか低いのか。その時々でいろいろと事情や背景が違っても容赦なく数字は出てしまう。
直接の担当者であれば、「少しでも高く」と願うのは当然であり、職務に忠実であればあるほど、そのために何ができるかを考えるだろう。その苦労は察して余りある。数字が低ければ幹部から発破をかけられることもあるだろう。長年支援してもらっているスポンサー名を冠した試合で広告の提供を受けていれば、「低い視聴率では顔向けできない」という切実な状況があるに違いない。W杯予選の視聴率もジリ貧。06年最終予選では視聴率40%以上が3試合もあったが、10、14年大会予選では1度もなく、18年大会予選では豪州戦の24・2%が最高(いずれもビデオリサーチ社によるデータ)だった。
視聴率が振るわなければ中継テレビ局に申し訳ないし、その番組を提供しているスポンサーにも顔向けができない。テレビ局にとっても、一定の数字を取ってもらわなければ、サッカーを中継するメリットがない。プロ野球の地上波中継が大幅に減ってしまったのと同様、代表戦でさえ地上波で見ることができない状況も予想される。W杯本大会は放映権料が高くて現在でさえ民放全体の収支が赤字になっているのだから、将来有料チャンネルだけで放送されるような事態も懸念されるのだ。現場は切実だろうし、常にテコ入れを考えているに違いない。
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